エイシェント・インディジナス・ウィズダム賞

このアワードは、先住民と伝統知識を主題にしたプロジェクトと団体を支援します。

このアワードは、古くから伝わる知識と知恵がリジェネレーション(再生)の取り組みと人々の在り方にもたらす影響を評価し、称賛し、探求することを目的としています。

そして、(過去も現在も)抑圧的な植民地支配と家父長制度によって形づくられてきた変化の多い世界で、伝統的な環境保護の知識と自然を敬う古来の慣習の必要性と妥当性を称えるものです。

この探索的なカテゴリーでは、賞金1万ポンド(約152万円)が授与されます。2021年のアワードはBe The Earthからの出資を受けています。


2021の最終候補者リスト

Associação Centro de Cultura Sabuká Kariri Xocó

Kariri-Xocó族は、自分たちが生存していくために昼夜を問わず闘っています。彼らの領土内には、ブラジルにのみ存在するバイオーム(生物群系)であるカーチンガと、大西洋岸森林が交差する、唯一無二のバイオームがあります。彼らの村は、彼らの言葉で Oparáと呼ばれるブラジルのサン・フランシスコ川のほとりに位置しています。そのような場所にありながらも、川が苦しみに喘いでいるため、彼らの土地や植物は干上がっています。

Sabuká Kariri-Xocóカルチャーセンターは自分たちの生活と、そこに棲むすべての生き物の生活を守るために闘うという使命を持って生まれました。彼らの先祖がしてきたように、子ども、若者、年長者を集め、共に活動しています。文化を育むだけでなく、コミュニティガーデンを作り、1日に最大100人のグループで収穫、自給し、Toré (訳注:神々に感謝し祈りを唱える儀式)、対話、ゲーム、サッカーなどの活動をしています。

彼らの夢は、先祖の記憶を取り戻し、食料、共同作業、団結、自分たちの文化の強化を約束することです。このプロジェクトによって、自分たちの民族と村が生き延びる大きな可能性を見出しています。これは彼らの民族に、抵抗することで生まれる希望を与えます。

  • 2021
  • Ancient and Indigenous Wisdom Award

Fundación Pachamama (パチャママ財団)

パチャママ財団は、23年以上にわたりアマゾンの先住民と協力してきた経験を持つNGOです。先住民組織の強化、先住民の人々が持つ土地権利の保護、代替開発モデルの推進に向けた取り組みを行っています。アマゾン熱帯雨林の先住民族と協力し、

何百万エーカーもの手つかずの熱帯雨林を石油などの採掘産業から守ってきました。

パチャママ財団は、ASHI (Amazon Sacred Headwaters:アマゾンの聖なる源流)という新しいイニチアチブを推進しています。ASHIはアマゾン川の源流のあるエクアドルのナポ盆地とペルーのマラニョン盆地の8600万エーカー以上の熱帯雨林を恒久的に保護することを目指しています。

ASHIは、工業規模の資源採掘を禁止し、先住民の伝統的な原理に従って統治される2か国にまたがる保護地域を設けるために、先住民、市民社会、政府を招集する予定です。これは、アマゾン盆地のかくも巨大なバイリージョン生物域に影響を与える重要な問題に対処するための、初めてのホリスティックな計画です。

  • 2021
  • Ancient and Indigenous Wisdom Award
Photo: Fundación Pachamama (パチャママ財団)

プロジェクト情報

Instituto Mesoamericano de Permacultura (IMAP)

インスティチュート・メソアメリカーノ・デ・パーマカルチュラ(IMAP)は、2000年、サン・ルカス・トリマンのアティトラン湖畔、マヤ人が居住するグアテマラ高地で始まりました。

IMAPはマヤ人のカクチケル族のグループが設立したもので、彼らの願いは、土地に自生する種子やパーマカルチャー、民族に根付いた伝統的な知識や教育を活かして社会に癒しを与えることです。この地では36年ものあいだ内戦が繰り広げられ、何百ものコミュニティが根絶し、何百万もの人々が地を去り、自らの文化や先祖伝来の教えを引き継ぐことを断念させられました。

IMAPは、湖畔盆地のみならず、メソアメリカ地域全体の先住民コミュニティが苦しめられている貧困や栄養失調に、総合的に取り組むために創設されました。先住民族は戦争の間、不当に権利を侵害され、さらに、それに続く平和条約締結によって多くを奪われました。IMAPの事業は、コミュニティに土地や種子を与え、パーマカルチャーに関する優良な教育を施すことに注力しています。

IMAPは、すでに1万以上の小規模農家に、農業生態学の基本原則や野生種の保存に関する訓練を提供しており、コミュニティがさらに気候の変動性に適応して栄養失調に打ち勝つことができるよう、食料主権を推し進めて地方市場を強化しています。

  • 2021
  • Ancient and Indigenous Wisdom Award
Photo: Instituto Mesoamericano de Permacultura (IMAP)

プロジェクト情報

Meli Bees Network (メリ・ビーズ)

メリ・ビーズ・ネットワークは、アマゾンの最も存続の危ぶまれる地域に、体系的でリジェネラティブな支援を提供しています。地元に古くから存在するコミュニティと協力しながら支援を行い、他の同様のコミュニティと交流し、経験を共有し、リジェネラティブな慣行を展開するための支援を得られる、信頼のネットワークの中に彼らを引き入れます。

Meliには既に、先住民族の村、キロンボ (訳注:植民地期ブラジルの白人社会を脅かし続けた逃亡奴隷社会)、小規模農家の「アセンタメント(assentamento:ポルトガル語で『定住』、『居住地』という意)」など、15以上のアマゾンの伝統的なコミュニティからメンバーが集まっています。Meliの目的は、集まったメンバーのストーリー、地域の現実、願い、技術を学び、そこから共に働く上での最良の慣行を見つけ出すことです。また、彼らと必要な技術的・科学的支援とをつなぎ合わせたり、教育やアグロエコロジー、在来種の養蜂など、社会と環境にポジティブな影響を与える最良の慣行を進展させるために必要な手段を提供しています。

今後5年間で何百ものコミュニティに輪を広げると同時に、その一つひとつと深いつながりを築いていきたいと考えています。

  • 2021
  • Ancient and Indigenous Wisdom Award

Permatil Global (パーマティル)

2001年以降、パーマティル・プロジェクトは、コミュニティ主体のパーマカルチャー・プロジェクトを通して人々に力を与える中で、東ティモールに差し迫って必要なのは、文化や伝統的知識の強化だけでなく、自然環境の再生やサステイナブルな生活、レジリエントなコミュニティの創成であるという認識を持ちました。

パーマティルの事業には、以下の内容が含まれています。

  • 東ティモール全域のコミュニティに向けて、パーマカルチャー・プロジェクトの企画及び実行。
  • 将来の訓練実施者の育成。NGOや政府の職員、コミュニティのリーダーや現地の農家等に向けて、治水や土壌保全、農業生態学、アグロフォレストリー(森林農法)、養殖、オーガニック農法について訓練を実施。
  • 全国の農家のための食料主権に関するネットワーク設立。
  • 水質改善・保全プロジェクトにより、174のコミュニティにおいて水源を回復して、地上での貯水を実現。
  • ティモールの教育資源を製作。2008年以降、東ティモールより、読み物・映画・ポスター・パーマカルチャーに関するガイドブックなどを提供。
  • 2018年、熱帯地方のためのパーマカルチャー・ガイドブックを製作。オンラインでアクセス可能、「ペイ・ワット・ユー・キャン」方式。
  • 学校の農場でのパーマカルチャー・プログラムに協力。国立小学校のカリキュラムにて、世界初の試み。
  • 政府、民間企業及びコミュニティに、パーマカルチャーを基盤とした変革を提唱。

パーマティルが望んでいるのは、事業に対する認識を地域で深めること、そして、支援の影響を受けた他のグループが、パーマカルチャーの利点を見出して関わりを持つようになることです。学校の農場や治水、植林、若者たちの活動プロジェクトを通して、将来的なプロジェクトのため同じような団体との連携を始めています。

  • 2021
  • Ancient and Indigenous Wisdom Award
Photo: Permatil Global (パーマティル)

プロジェクト情報

Radio Savia

ラジオ・サビアは、多様な(先住民、黒人、農民)ラテンアメリカの女性活動家やヒーラーが登場し、隔月で配信される、物語を伝えるポッドキャストです。彼女たちは、フェミニスト、脱植民地、リジェネレーション (再生)、反人種差別の観点から紡ぐ物語が持つ変革の力を信じています。多種多様な闘争と領域を伝える橋渡しになることで、同じような状況に直面している社会運動との間に連帯と共鳴を生み出し、都市という文脈の中でこれらの力強い声を増幅させることを目指しています。

毎回のエピソードでリスナーは没入型のサウンド体験に飛び込み、その中でゲストは癒しについての個人的な道のりや、自分自身、自分のコミュニティ、地球との関係について語ります。各エピソードは、その地域における「cuerpo-territorio (身体と大地)」の意味を探ります。これは、人間と地球の間にある深い絆を表現するために、ラテンアメリカ全土の先住民のコミュニティによって作られた概念です。

農民コミュニティや先住民の地域にいる人々は、チャットアプリのWhatsapp (ワッツアップ) やコミュニティラジオ(ここから配信されるコンテンツが人気です)を通じて、自分たちの体験と同じようなそれ、つまり主流メディアでは聞くことのできない声を聴いています。

  • 2021
  • Ancient and Indigenous Wisdom Award

The Marginalized Mirror

マージナライズド・ミラーでは、ナミビアで主流社会から取り残されたゼンバのコミュニティを対象に、農業やフードシステムへの責任投資について知識を共有していきます。不安定な気候にも強い環境再生型農業を通じて、住民自らが有機食品づくりを行えるようになることを目指しています。

新型コロナウイルスは、ナミビアの全国的な経済危機や移動制限、そして繰り返される干ばつという厳しい現実とも重なって状況がさらに悪化しており、現在や今後のゼンバ先住コミュニティに及ぼす影響は、計り知れません。このコミュニティは作物生産と家畜に依存していますが、干ばつによって、乳製品の原料や、通常は雨季に植えられていた作物が失われました。新型コロナウイルス関連の規制で人々の移動が制限されたため、牧畜家たちは、比較的良好な放牧草地を求めて、アンゴラなど降水量が多い近隣国へ家畜を移動できない状況です。

このプロジェクトでは、人間や家畜向けの食料や飼料の生産、また所得創出に向けた余剰作物の販売に向けて、灌漑システムでの作物生産に関する研修を行っていきます。ゼンバの先住コミュニティメンバーが、地域密着型灌漑プロジェクトを管理し、自分たちや未来の世代が持続可能な方法でプロジェクトを運営できるよう支援することを、ここでは目指しています。

  • 2021
  • Ancient and Indigenous Wisdom Award
Photo: The Marginalized Mirror

プロジェクト情報