ヤング・プロジェクト賞(資金提供額60,000ポンド = 日本円換算 約1,170万円)は確かな実績があり、活動拡大や発展を目指すプロジェクト3件に授与されました。
受賞者およびその他のファイナリストのリストは以下をご覧ください。
Land in Our Names(LION)は黒人および有色人種(Black people and People Of Colour:BPOC)で構成される集団で、食料や気候、土地、人種的正義を達成する手段としてコミュニティと土地をつなぐ役割を果たしています。
自然と土地の間に結ばれた関係を癒すという行為は、土地を癒し、持続可能かつ互恵的で思いやりある方法で活動することでもあるとLIONは信じています。先祖より代々伝わる持続可能な再生型農法で栽培された味の良く栄養価の高い食品を、コミュニティが入手できるよう支援する手段として、集団的土地管理に努めています。栽培地にて様々なアグロエコロジー的農法実践に取り組むLIONは、アフリカや先住民の農法を学ぶことに情熱を注いでいます。
2019年に設立。2020年に印象的なローンチイベントを開催して以来、LIONはその集団規模とリーチ範囲の拡大を続けています:
LIONのイベント需要が常に定員を上回っていることから、LIONはイベントプログラムの規模を拡大させ、ネットワークを広げ続けたいと考えています。
Ñu’u Nditoはメキシコの25の小規模農家で構成された集団で、伝統的なミルパ農業システムの実践に取り組んでおり、特に在来種のカラードコットン(非染色綿)栽培と保全に注力しています。
農薬への依存や野焼きによる被害を目にしたÑu’u Nditoの創設者らは代わりとなる農法を模索し始めました。協力しながらこの集団が実現したのは以下の事柄です:
この集団はオアハカにおけるコットンの遺伝子組み換え(GMO)汚染発生の削減を目指しています。貴重な繊維のもととなり、地域の文化的アイデンティティにとって重要な役割を果たしているため、現地の野生種や栽培種の両方を保全したいと彼らは強く望んでいます。また、Khadi Oaxacaとも協力しています。これは工芸品生産にあたって多くのコットンを購入している職人集団です。
メキシコ国立自治大学の研究者や学生らとの独自な協働の結果、Ñu’u Nditoは自団体の温室にて遺伝子組み換えでないコットンを初めて収穫することに成功しました。これにより、Ñu’u Nditoは複数のコミュニティに「生きた種子銀行(シードバンク)」を設置し、保全プログラム拡大への計画を始めることができるようになりました。
The Returning Indigenous CorporationはオーストラリアのBundjalung Countryに拠点を置く、先住民女性主導の非営利団体です。そのミッションはあらゆる人々が自分自身やコミュニティ、そして国や土地との本来あるべき関係を取り戻し、私たち自身と地球を癒すことです。
この団体は創設者たちが既に運営している、脱植民地化された文化的およびウェルビーイングに関するイベントをより深化、拡大させるために設立され、先住民文化のファシリテーターがBundjalung Countryのリジェネレーションや社会的レジリエンスにまつわる運動を主導する機会を創出しています。
第一の目的は先住民の女性、年長者、そしてその家族がBundjalung Countryとつながり、文化的知識を認められ、報酬を得ることができ、健康とウェルビーイングが改善される機会とサポートを提供することです。第二の目的は、先住民族と非先住民族との間に深いつながりを築き、民族に伝わる古代の知恵や文化からあらゆる人々に学びを得てもらうことです。
The Return Indigenous Corporationは自然療法の原則やヘルス・リトリート、ファミリーサポートサービスに焦点を当てた7つのプログラムを地域全体で提供しています。先住民専用のプログラムでは癒しと文化的つながりにまつわる安全な場を提供し、オープンプログラムでは先住民と非先住民の人々の間で深い学びやつながり、癒しを創出します。
この団体は気候変動が既にBundjalung Countryの先住民に不均衡な影響を及ぼしていることを認識しており、あらゆる人々が土地や海、健康、ウェルビーイングと再度結び付くことで、誰もが共に繁栄し、強靭で再生可能なコミュニティを創り上げることができると信じています。
Anasi Farmers Associationは災害が発生しやすい地域であるウガンダのカセッセ(Kasese)地区の農村コミュニティにおいて、損傷した土地の修復や生物多様性の向上、経済的レジリエンスの醸成を目的とした再生的技術の推進に取り組んでいます。
熱意ある農家や環境問題研究家らで構成される、若者主導の団体です。土地の劣化への対処や農業慣行の向上、被災コミュニティへの支援といった必要性を認識し、2019年に始動しました。
インスピレーションの源となったのは不適切な農業慣行による悪影響や、自然災害の発生頻度を増加させている森林破壊の実情を目の当たりにしたことでした。自然災害の増加は土壌の浸食や作物の収穫量の減少、避難、飢餓、貧困の増加につながっています。
6エーカーの広さのパーマカルチャー実践の場はアグロエコロジーや環境修復実践に関するトレーニングセンターへと姿を変えました。
Anasi Farmers Associationの活動内容は以下の通りです:
Anasi Farmers Associationは今後も引き続きアグロエコロジープログラムの開発を継続し、より強固なコミュニティネットワーク構築に投資していくことを望んでいます。
Battmungは韓国で若者が活性化し、パーマカルチャーデザインについて学ぶことができる持続可能なパーマカルチャーヴィレッジを創出するために設立されました。
高齢化によって危機に瀕している村の存続を目指しています。Battmungはパーマカルチャーを通じて、村に再び活気を取り戻させようとしています。若者を対象に72時間のパーマカルチャーデザインコース(PDC)を提供し、コース修了後も積極的にデザイナーとして活動を続ける人々は「Battmung Friends」グループを通じて交流を続けています。
2021年の設立以来、Battmungは以下の活動を行ってきました:
人々を繋げることの重要性を認識したBattmungは、2023年、韓国パーマカルチャー研究所(Permaculture Institute of Korea P.I.K)の設立にも貢献しました。協会の目標は地域ネットワークを運営し、パーマカルチャーに加え、土壌や食物連鎖の修復、エコロジー的認知や地域経済の向上を通じて韓国にリジェネレーションをもたらすことです。
Debt for Climate (D4C)はグローバルサウス主導の世界規模の草の根運動です。その主な要求は、グローバルノースの生態学的および植民地的負債に対処し、公正なエネルギー転換を可能にするために、グローバルサウスの国々の金融負債を帳消しにするというものです。
Debt for ClimateにはDebt for Climate Africa(D4C Africa)を含む複数の地域支部があり、負債の帳消しはアフリカ大陸全土のリジェネレーションを可能にするためには不可欠だと信じています。
Debt for Climateの運動は気候正義や公平性、経済的主権といった信念によって突き動かされています。気候変動への寄与が最も少ないにもかかわらず、それによる被害を最も被っているのはグローバルサウスの国々であることを認識し、公平性を焦点としています。D4Cはグローバルノースの国々に対して、この危機的状況における現在ならびに歴史的役割を自覚するよう強く要請しています。
D4Cは以下の取り組みを通じて人々をエンパワメントしています:
多様な行動戦術を組み合わせることで、負債や採取/採掘産業との関わりに加え、世界銀行やIMFのような機関の役割を浮き彫りにします。
2022年と2023年、特に国連気候変動枠組条約第27回締約国会議COP27の期間中、D4C Africaはウガンダやタンザニア、シエラレオネ、ルワンダ、ザンビアにまたがるネットワークを拡大させました。
主なマイルストーンは以下の通りです:
D4C Africaは、教育や若者のエンパワーメントのための教材を作成し、アフリカにおける活動家の動員を促進し、より広範な運動のグローバルな参加者間のつながりを醸成することを目指しています。
FarmLab Ekopraxis Pilipinasは食の正義、土地の権利、保全、生態系の修復、気候正義といった課題に最前線で取り組む若者たちが主導する、草の根団体の新興ネットワークです。
2021年に創設され、フードフォレストや共同農場、共同菜園を通じてコミュニティと共に地域の食料システムを共創する取り組みとして、小規模な活動から始動したネットワークです。現在ではフィリピン国内の食料や土地、気候に関する国家基本戦略を定義し、草の根的アクションを促進させるべく活動しています。フィリピンにおける現在進行形の権威主義的で腐敗した新自由主義的リーダーシップへの移行や、グローバリゼーションおよび食料システムの企業支配による農村地域の継続的な文化的・環境的知識の喪失に対して、この活動は直接的な返答としての役割を果たしています。
FarmLab Ekopraxisは現在、12のコミュニティや都市と農村の両方を包括する様々な文脈にまたがり、農場やコミュニティガーデンを含む12のモデルサイトと共に活動しています。これらのモデルサイトはコミュニティやNGO、地方自治体、民間組織によって活用され、自律性を備えた場所として開花し、賑わいを見せています。また、自然農法実践家やコミュニティ団体、活動家、農業科学者のコミュニティも形成しており、フィリピン群島全土から250名以上もの協力者が参加しています。
この団体はリジェネラティブな農業とアグロエコロジーに関するツールキットを作成し、フィリピンにおける創造的なキャンペーンや学校現場を通じて、循環型で公正、且つ再地域化された食料システムを強化するための地域集会の創出を目指しています。
Forest4Lifeはルワンダの乾燥地帯に位置するKayovu村にて、直ちに生態系の再建が必要な自然環境の修復に注力する変革的な取り組みです。
この地域は気候変動と持続不可能な土地利用の影響を強く受けた結果、生物多様性が損なわれ、現地の生活にも悪影響を及ぼしています。Forest4Lifeは実践的な修復活動や在来種の植樹、教育活動を通じて、人々と自然の間に調和のとれたバランスを再興させることを目指しています。
2023年に設立されてから、Forest4Lifeは以下の成果を上げています:
インドネシアに拠点を置くJungloは、”宮脇メソッド”を用いて家庭や学校、オフィスにおけるネイティブフォレスト(native forests)の植樹を支援しています。
Jungloはかつて存在していた生態系を理解し、それらを小規模なポケット(範囲)で再生させることを目指し、気候変動に関する取り組みを誰でもアクセスできるものにすることを目指しています。Jungloは人間と森林のつながりを復活させることが、森林そのものを再生させることと同じくらい重要だと考えています。
これまでにJungloが上げた成果は以下の通りです:
今後、Jungloは以下の事柄を目指しています:
Organizacion Ecologica Sol y Verdeはグアテマラ北部のマヤ生物圏保存地域(Maya Biosphere Reserve)の端に位置する農村および先住民の文脈で活動する、再生的かつ教育的な草の根的非営利団体です。
Sol y Verdeのミッションは気候正義を支持し、コミュニティのレジリエンスを高め、先住民文化の保存と祝福を促進することを通じて、危機に瀕した生態系を保護および修復することです。強制移住や気候変動の影響を受けた農村部における立場の弱いコミュニティ、特に女性や若者、先住民グループの食料主権を確保するべく、土地利用にまつわる解決策やスチュワードシップに重点を置いています。
これまでの活動内容は以下の通りです:
Perfect Village Communities(PVC)のミッションは東アフリカのブルンジにおける農村コミュニティを貧困や人間および環境の健康問題から守り、コミュニティエンパワメントを推進することです。
PVCは2020年、ある看護師によって設立されました。彼は現地のコミュニティが抱える栄養失調や健康不良問題を目の当たりにし、これらの問題が医療へのアクセシビリティからだけでなく、土地の環境劣化にも起因していることを理解していました。
PVCは伝統的な医療や現地の植物を用いた自然療法など、失われた先住民の知識を復活させてきました。その結果としてコミュニティは、自給自足農民の収穫の質や生活を低下させ、環境を汚染し、人体に害を及ぼす有害な農業製品の使用を廃絶させることができました。
PVCは環境を尊重しつつも、立場の弱い人々が自らのニーズを満たすことができるようにエンパワメントの推進を最優先に据えています。再生型農業を導入することでコミュニティは自分たちのフードバリューチェーンを発展させられるようになり、家族を養うこともできるようになりました。
これまでに、PVCが成し遂げた成果は以下の通りです:
PermaQueerは先住民およびクィアが主導するプラットフォームで、エコロジーのアドボカシーや教育に焦点を当てつつ、ファースト・ネーションやLGBTQIA+の人々、疎外されたコミュニティへのエンパワメントを推進しています。オーストラリア、ニューサウスウェールズ州北部のGithabuol Countryにある、クィアコミュニティに拠点を置いています。
2019年に設立され、当初はエコロジカルデザインや食のリテラシー向上を目的としたパーマカルチャー教育を現地のクィアコミュニティに提供するところから始まり、その後、レジリエンスを備えた主権的なローカルフードシステムを世界中で開発することをミッションに掲げるようになりました。
PermaQueerのアプローチは社会的およびエコロジカルなシステムを統合し、システムデザインの方法論を用いて協働力を高め、再生的なアクションを促進します。これにより、異なるコミュニティや団体を結び付け、しばしば別個の存在だとみなされがちな両者間の溝を埋めることができています。
Spring Prize 2021でインテンショナル賞を受賞してから、いくつかの取り組みを始動させてきました。以下に、いくつか例を挙げています:
また、World Community Development ConferenceやAustralasian Permaculture Convergence 2022など、多数のイベントでプレゼンテーションを行いました。これらの活動を通じて、PermaQueerはレジリエンスを構築し、コミュニティとのエンゲージメントを高めながらエコロジーに関する課題解決に取り組んでいます。
PermaQueerは先住民およびクィアが主導するプラットフォームで、エコロジーのアドボカシーや教育に焦点を当てつつ、ファースト・ネーションやLGBTQIA+の人々、疎外されたコミュニティへのエンパワメントを推進しています。オーストラリア、ニューサウスウェールズ州北部のGithabuol Countryにある、クィアコミュニティに拠点を置いています。
2019年に設立され、当初はエコロジカルデザインや食のリテラシー向上を目的としたパーマカルチャー教育を現地のクィアコミュニティに提供するところから始まり、その後、レジリエンスを備えた主権的なローカルフードシステムを世界中で開発することをミッションに掲げるようになりました。
PermaQueerのアプローチは社会的およびエコロジカルなシステムを統合し、システムデザインの方法論を用いて協働力を高め、再生的なアクションを促進します。これにより、異なるコミュニティや団体を結び付け、しばしば別個の存在だとみなされがちな両者間の溝を埋めることができています。
Spring Prize 2021でインテンショナル賞を受賞してから、いくつかの取り組みを始動させてきました。以下に、いくつか例を挙げています:
また、World Community Development ConferenceやAustralasian Permaculture Convergence 2022など、多数のイベントでプレゼンテーションを行いました。これらの活動を通じて、PermaQueerはレジリエンスを構築し、コミュニティとのエンゲージメントを高めながらエコロジーに関する課題解決に取り組んでいます。
The Ecosystem Carbon Conservation (TECC)はコロンビアの高山泥炭地やその他の戦略的な生態系の修復、保全、持続可能な管理に尽力する革新的な団体です。
科学やコミュニティエンゲージメント、気候アクションが交差する領域で活動し、気候変動や水不足、生物多様性の喪失といった緊急の環境課題に取り組んでいます。
以下を実現させるために、拡大可能で自然に根ざしたソリューションを創出するというミッションを掲げています:
設立以降、TECCは様々なプロジェクトを開発・実施してきましたが、特に「Turberas para el Futuro (未来の泥炭地) 」はコロンビアのパラモ・アルモルサデロ地域にある泥炭地の修復と保全に向けた先駆的な取り組みでした。現地の欠かすことのできない重要な生態系およびカーボンシンク(炭素吸収源)は、農業利用の拡大や土壌劣化といった脅威に晒されています。
TECCはアンデスコンドルやバージニアフクロウといった種を含む、この地域の生物多様性にとって長く守護者であり続けてきたクルス・リベラ―(Cruz Rivera)家をはじめとする現地のコミュニティと密接に協力しています。TECCは現地のコミュニティを研究や保全活動対象としてではなく、パートナーとして捉えています。こういったアプローチは科学の脱植民地化を促進し、平等な知識共有を推進する一助となっています。また、コミュニティのメンバーが積極的に修復活動に参加できるよう、持続可能な土地管理実践に焦点を当てたトレーニングプログラム開発を目指しています。
Northern Lightsはフランス東部のローヌ=アルプ地域圏で、リジェネラティブな実践に関する挑戦や教育、情報交換に尽力する非営利団体です。また、社交や創造的なインスピレーションを得る場としてオープンな空間も提供しています。
内面を耕し、手に技術を携え、心を繋げ合わせることであらゆる存在が調和のなかで共存する、活気に満ちた世界を育むことをミッションとして掲げています。この団体は、現地および国際的コミュニティの両方を対象に、ワークショップやセミナー、イベント、ボランティアプログラムを開催し、参加者それぞれに独自の社会生態学的にレジリエンスを備えた取り組みを発展させていくための実践的ツールを提供しています。
2020年の設立以来、Northern Lightsが成し遂げたことは以下の通りです:
生態系の修復やコミュニティの活性化に加え、若者のエンパワメントも統合させることで、Northen Lightsは世代間に架かる橋となり、持続可能な未来のための生態学的および社会的システムの両方を強化する、順応性ある活気に満ちたコミュニティを構築しています。