本カテゴリーには少なくとも3つプライズがあり、それぞれ最高で2万ポンド(約320万円)が授与されます。※ 1ポンド=160円換算
小規模なプロジェクトに対し、少なくとも1団体にアワードを授与することを目指しています。
受賞結果は2023年5月に発表する予定です。
Agro-Perma-Lab(APLab)はポーランドを拠点とし、女性主導でトレーニングを提供する団体です。Polish Food Sovereignty Network (Nyeleni Polska)の組織内におけるリーダーシップの必要性の高まりを受け、その支部として2019年に結成されました。
この財団は、医師、教育者、ガーデンデザイナー、環境保護団体のリーダーに加えて、芸術、アクティビズム、ソーシャルアニメーションの交差する分野で働くクリエイティブな人々を、まとめています。
この団体は、アグロエコロジーとパーマカルチャーの相乗効果を活用し食料システムを変革することを目指しています。例えば、コミュニティやエコロジーといった分野への環境・社会教育プロジェクトの導入に加え、気候変動の緩和、地域の食料システムの変革、食用都市庭園の設計等を支援しています。
「ラボ」としてのアプローチでは社会運動の教育学的手法、即ちコミュニティ行動研究、参加型およびピア・ラーニング、試験的イノベーション等を利用しています。トレーニングは、リーダーシップスキル、互恵関係、世代間コラボレーション、リジェネラティブなアクティビズム、デザイン思考、多様な知識を用いた対話を育むものです。多数の教育リソース抱えており、その提供形式は、ポッドキャスト、動画のチュートリアル、手引書、Web Docs、ワークショップのスクリプトと様々です。
これまで手がけてきたプロジェクト:
地域の食料システム戦略をスケールアップおよびスケールアウトする方法として、刺激的で教育的、かつ経済的に実行可能で、同時にチーム主体でもある、ラーニング・プログレッションズ経路とパーマカルチャー設計サービスの開発を目指しています。
Associação Terra Sintrópica (ATS, テラ・シントロピカ協会)は2018年、ポルトガルのメルトーラで、この地域を襲った様々な困難に応えるべく立ち上がった市民たちによって結成されました。
この協会は「利用を通したリジェネレーション」という概念の実践と普及を行っています。この概念は、私たちは地球とつながる必要があり、また長期的な持続可能性の目標や、生態系・生物多様性の保護・回復とを、地球資源の利用と地球を楽しむこととつなげて捉える必要がある、とするものです。Terra Sintrópicaは、メルトーラを襲っている砂漠化、気候変動、過疎化と食料システムが本質的につながっていると見なし、そこに焦点を当てています。
この協会は、コミュニティの参加と国際的なコラボレーションの両方に根差したアグロエコロジーの実践への変革を通じて、食料システムを再生させるべく、取り組んでいます。
結成以来、ATSが手がけたもの:
ATSは、リジェネレーションを伝え称えるという喫緊のニーズに応えることと、行動を波及させられるリジェネレーションに携わる人々に、もっと投資していきたいと考えています。
Cabarete Sostenible (CS)は、ドミニカ共和の北海岸の町Cabareteに拠点を置くプロジェクトです。
ドミニカ人が主体となり、積極的参加を募ることで、コミュニティが主体性をもってプロジェクトに関われるようにしています。2020年4月、コロナウイルス感染拡大により観光業が閉鎖した際、住民の間で食料に対するニーズが抜き差しならない状況になったため、それに応える形で発足しました。
Cabareteはウォータースポーツの聖地として世界的に知られていますが、ツーリズムの発展は地域の人々の繁栄に貢献しません。
4つの主要な取り組み:
このプロジェクトは「社会正義志向」を持ち続けます。Cabarete Sostenibleにとってこれは、反人種差別・非植民地支配的な観点で、あらゆる食料主権の取り組みを率いていくことを意味します。
これまでの業績:
Cooperativa Tonanzintlalliは、先住民族Matagalpaの女性たち23人によって結成されました。
地域の土地や人々との適正な関係の中で、木々の作る影のもと育つ、リジェネラティブな有機コーヒー豆を栽培し付加価値をつける取り組みを行っています。このプロジェクトを通して女性たちは、先住民族として持つ環境や文化的知識、それに加えて経済的・政治的自己決定を回復・促進させ、守っていくことを目指しています。
Tonanzintlalliとは、神聖な母なる大地を意味します。母なる大地の権利、地球と、その創造物と、我々の間にある神聖な関係性を守ることに邁進しています。コーヒー豆ブランド「Café D’Yasica」は、その志と品質の良さで、国内の賞をいくつか受賞しています。こうした癒しの象徴は、アグロフォレストリーの実践を通じてこそ可能となるものです。そこでは、森林と水を保護・再生し、人々に生活の糧と収入を提供することで、採掘活動に頼る必要性を軽減することです。
この協同組合はまた、より大きな規模での先住民コミュニティの結束と健康にとって、重要な役割を果たしました。コロナウイルス感染拡大の期間中、若者向けの文化開発やプライマリヘルスケアサービスといった活動を率いるとともに、資金提供も行いました。
Dulariaは、社会経済的に恵まれないインド西ベンガルの先住民サンタル族のコミュニティを対象とし、リジェネラティブな実践を通じて生計を立てられるように支援する、没入型教育センターです。
サンタル族はインド最大の先住民族のひとつです。彼らは西ベンガル州で、主に稲作労働者として働いていますが、彼らが使用する有毒な化学農薬や肥料は生態系を荒廃させ、健康を蝕んでいます。 彼らにリジェネラティブな生計の立て方という選択肢を提供するために、自然農法、自然建築、アグロフォレストリー、土着の薬草を使った治療、自然の芸術品や工芸品を推進しています。
真のエンパワメントを促進するために、サンタル族のメンバー自身によって運営されており、それを率いるのはサンタル族の女性たちで、彼女たちが日々の意思決定をします。また国内外の専門家が毎年ワークショップやトレーニングを開催し、彼らを支援しています。
これまでの活動内容:
Forests Without Frontiers (FWF)は2018年に、森林とそこに住まう人々、彼らが支援する野生生物、またその景観に触発されて生み出される芸術と創造性に対する思いから生まれました。
このプロジェクトは現在、プロジェクト発足者の出身地であるルーマニアのカルパティア山脈及び当組織の本部を置く英国での森林再生と再野生化に焦点を当ててプロジェクトを行っています。
このプロジェクトの取り組みはホリスティックな森林の生態系を作ることにあります。それは自然の美しさと芸術に根差した景観を、人々を、伝統を蘇らせるものです。
これまでの活動内容:
こうした音楽と芸術の力を活用し、森林保護と再生へのホリスティックなアプローチに転換する唯一の非営利団体です。私たちは可能な限り多くの人々を森林・自然・芸術とホリスティックに関わるようインスパイアし支援することを、そうすることでパワフルで調和のとれた「森の声」となってもらうことを、目指しています。
Janeraka Instituteは、アマゾン地域Altamiraに住み、50年前までグローバルな社会との接触を拒んでいた、Awaeteの祖先たちから誕生しました。世間と関わるようになって以来、Awaeteの人々は、数多くの心理社会的・生態学的困難に直面してきました。
最初の接触後に起きてしまったジェノサイドやエスノサイドによってもたらされた惨状は、水力発電所の建設や採掘活動によって悪化し、世界でも最悪レベルの森林破壊を引き起こしました。これはまたこの地域だけでなく世界の水上生活者や土地、森林の存在をも脅かしています。
JanerakaはAwaeteの言葉で「私のでもあなたのでもない、私たちの家、その家はその手入れをする人のものである」ということを意味します。Janeraka Instituteの活動のすべてはAwaeteの伝統文化の強化と、他の森の人々との知識と慣行の交換を中心としています。
プロジェクトを通じて共同で作り上げてきた事:
Khetee (Cultivation) は三年前、インドのDurdihという、ビハール州ラキサライ地区の中でも最も不遇な村で始まった組織です。そこでは、ほとんどの世帯が貧困ライン以下で生活しています。
Khetee は、村の農家や女性たちと協力し、生活水準を向上させると同時に気候への影響を軽減すべく、アグロフォレストリーの活用に取り組みました。
この組織にとってリジェネラティブなシステムを生み出すことは、単に技術的・経済的・環境保護的・社会的な転換であるだけではありません。それは私たちが自らの、相互の関係性の、生命全体とのつながりの捉え方を根本的に転換することとセットになっています。
この組織リジェネラティブなアグロフォレストリーを通じたミュニティ開発に取り組んでいます。 インドのビハール州における土地の回復、生計の支援、食料と栄養の安全保障の改善、貧困の改善にも焦点を当てています。小規模かつ周縁化された農家にトレーニングを提供し、アグロフォレストリー開発とその維持に関する手法や技術を伝えています。
これまでの活動内容:
Meli Bees Networkは、ブラジルのアマゾンでリジェネラティブな慣行を実践するコミュニティを支援・強化しています。
このネットワークは、「信頼の関係」と呼ぶものを通じて、コミュニティがリジェネラティブな慣行を維持および/またはさらに発展させるのを支援しています。また、地域の生物多様性、地域社会のレジリエンス、教育・文化遺産の保護、食糧主権と経済安全保障、地域社会の科学、国際的な可視性にプラスの影響を与えることを目指しています。
このネットワークはメリポニーニ蜂(世界中の熱帯および亜熱帯地域の在来種である、針を持たないハチ種)にインスピレーションをもらっています。この蜂は、食物の生産と収集を通じて、重要な生態系一式を作り上げ、その生息地が繁栄できるようにします。
現在Meliは30のコミュニティと関わっています(16の小規模農家、10の先住民、4つQuilombolaコミュニティ)。
これまでの活動内容:
このネットワークは成長し続けるネットワークであり、リジェネラティブな活動の発展に関心を持つ新しいコミュニティを歓迎します。Meli Bees Network gUGはドイツで登録しており、同国での活動においては、非植民地的な国際協力の開発、国際パートナーシップの確立および資金調達を重視しています。 また、活動を通じて出会ったコミュニティのリーダーたちが、ブラジルでの独立した協会を始めてガバナンスと自律性を強化しようとしており、この組織も世界的な動きを始めています。
英国サマセット州バース市を拠点とするMiddle Ground Growers は、小規模でリジェネラティブな栽培のための実行可能な経済的・生態学的モデルを開発しました。チームは低所得コミュニティの出身者で構成されており、プロジェクトは富の不平等を背景に活動しています。
農場で栄養のクローズドループを作ることは、地域経済で富のクローズドループを作るのと同じであると見なしています。どちらも人々と土地のウェルビーイングに恩恵をもたらします。
Middle Ground Growersは15.5エーカー分の元気な農場を有しており、そこから200以上の世帯に新鮮な有機食品を提供しています。助成金対象もしくは無料の野菜セットを、毎週最大10箱分提供することを目指しています。
この取り組みを拡大して、英国で初めてのスライド制の地域版Community Supported Agriculture (CSA) ネットワークを発展させることで、現在のように新鮮で健康な食料を、全てのコミュニティに対して、手頃な価格で、また公平かつリジェネラティブな方法で、提供できるようになることを願っています。
農業への周期的かつ循環的なアプローチも開発しています。たとえば、雑木林から出るラミアルチップウッドを農場の堆肥の燃料にできないか検討しています。また敷地内の天然の湧き水を利用するシステムを開発しています。これをポンプで作物に送れば、作物は水を溜めたのち、徐々に果樹園や湿地に排出し、最終的には水源に戻してくれます。
Waorani Organization of Pastaza (OWAP) は、エクアドルのアマゾンにあるパスタサ県のワオラニ族の土地に住む30の先住民コミュニティを結びつけています。
2018年にエクアドル政府が、ワオラニの領土20万ヘクタール以上を対象とした新しい石油採掘権をオークションにかけると発表しました。これを受け、国際的に知られるワオラニの活動家ネモンテ・ネンキモ氏主導の下、行動を起こしました。この世界的なキャンペーンと法廷闘争は、エクアドル政府に対する歴史的な法的勝利をもたらしました。これにより、祖先の土地を守る重要な法的前例が、この地域において作られました。
OWAPとその大多数が女性で構成される幹部は、ワオラニの人々の権利を促進し、コミュニティのレジリエンスを強化し、森林破壊と資源採掘の脅威に晒されている23万ヘクタール以上のアマゾンの熱帯雨林を保護するために活動しています。 この組織は、ワオラニのコミュニティと直接連携して、次のことを行っています。
Perfect Village Communities はブルンジを拠点とし、とりわけ農村地域で活動する社会的企業です。人々が医療費を賄うのに苦労しているのを知り、環境問題の悪化がコミュニティの健康に直接影響を与えていることに気付いた一人の看護師によって、2020年に設立されました。
PVCのビジョンは、健全なコミュニティのための健全な地球を、というものです。人々に地域社会に対する誇りを取り戻してもらい、その誇りをきっかけに、地域の文化や環境を大切にし保護する気持ちを持ってもらいたいと考えています。飢餓や貧困に立ち向かう活動を通じて、環境教育とアグロエコロジー教育を施し、人々を癒すことを目指しています。
コミュニティのメンバー全員が、現在のような飢餓と貧困の重荷ではなく、豊富な食料を分かち合うことによって、自分の足で立ち、職を得て、プロジェクトや社会的企業を運営し、他者を訓練し、国際ネットワークとつながり、伝統医療を復活させ、社会的つながりを強化することができるようなスキルを確実に習得できるように、取り組んでいます。
これまでの活動内容:
Rocciaviva は南イタリアを拠点とする若者のグループです。
地元の若者がより良い機会を求めてこの地域を離れるのはよくあることですが、Rocciaviva の創設者は故郷に戻り、離れている間に学んだスキルと知識を共有することで、地元コミュニティでリジェネラティブな機会を創出することを決意しました。
グループの使命は、変化の種をまいて、ウェルビーイングや、環境、社会のリジェネレーションを促進することです。
以下のことを通してそれを行っています:
既に1万2千本の植物を植え、湖を貯水システムとして蘇らせ、パーマカルチャーのセミナーといった教育・コミュニティイベントを開催しています。また共に取り組むコミュニティとも強固な良い関係を築いています。
Rwamwanja Rural Foundationはウガンダを拠点とする、難民主体の草の根団体です。特に難民キャンプ内のコミュニティや、東アフリカの気候変動に影響を受けている周縁化されたコミュニティなどと組んで取り組みを行っています。
この団体が支援する難民集団は、飢餓と栄養失調の高いリスクに晒されていますが、これはパンデミックとロシアによるウクライナ侵攻によって引き起こされた物価の高騰でも悪化しています。更に、難民となった人々に食料や医薬品を提供し、その他生活ニーズを満たしてくれるはずの生態系は、集約的農業、大量灌漑、乱獲、家庭用燃料とされる薪や木炭を作るための森林伐採といった、過剰な搾取のために、もはや完全には力になってくれません。こうした荒廃した生態系は、気候変動の影響に対する回復力が弱く、生活や健康に影響を与えるため、難民や避難民の気候に対する脆弱性を増幅させるという悪循環を生み出しています。
この団体は、難民の若者がその潜在能力を発揮し、人生を変えられるようにするために、設立されました。彼らのコミュニティが地域の生態系を回復させることで、気候へのレジリエンスと生物多様性を改善できるようにしつつ、リジェネラティブな農業活動の恩恵により彼らが栄養価の高い食料を入手しやすくなることを狙いとしています。パーマカルチャー、先住民族の農業技術、現地の言語、それに手頃な価格で入手しやすい最新のデジタル技術を組み合わせて、支援の届く範囲と全体的な影響力を高めています。
この団体が目指すこと:
今後5年で12のトレーニングハブを設け、9,000人にリーチする
Sporos Regeneration Instituteは2019年に4人の活動家によって設立され、難民にとっての欧州への主な玄関口であるレスボス島で活動しています。
地元の人々と難民を結びつけ、人々がお互いを理解し尊重するのを助けることで、2つの世界の架け橋となることを目指しています。そのためにも、永続的な社会変化を生み出すべく、統合を促し、異なるコミュニティを結びつける活動を主催しています。環境、文化、人間関係のリジェネレーションが使命です。
活動内容:
これまでの活動実績: