インテンショナル・プロジェクト賞

画期的なアイディアをお持ちの、一年未満の初期段階のプロジェクトを実行している個人や組織が対象です。

このプライズは、個人、コミュニティ、情熱に溢れた企業、スタートアップのグループや団体などに対し、今後の成長に向かうための強固な基盤作りをサポートします。知識の共有や、トレーニング、戦略立案などに、賞金が当てられることを願っています。またアイディアのを現実化するサポートになる提案などに対しては、常にオープンです。

本カテゴリーには少なくとも4つプライズがあり、それぞれ最高で1万ポンド(約160万円)が授与されます。※ 1ポンド=160円換算

小規模なプロジェクトに対し、少なくとも1団体にアワードを授与することを目指しています。


2023 受賞者

4名の受賞者が賞金4万ポンドを共有 。

受賞者およびその他のファイナリストのリストは以下をご覧ください。

勝者

Beejvan

Beejvanは、インドのマハーラーシュトラ州カルジャットの部族村カナンドに住む農民が主導しているコミュニティベースのイニシアチブです。このイニシアチブの名称に含まれるBeejは「種」、Vanは「森」を意味します。種は生命の象徴、森は生命を育む空間であると考えられています。

農業コミュニティであるBeejvanは、パーマカルチャーの3つの基本理念(アースケア、ピープルケア、フェアシェア)を推進することを目的としています。種子保存や再生・生活に関するプロジェクトを通じて、食料安全保障と栄養の改善に努めています。カルジャットに住むThakarsは、代々薬草医兼ヒーラーとして活躍してきました。Khanandは100世帯を持ち、その人口は500人です。丘陵地や河川敷で耕作し、小規模な林産物を生活の糧とする小規模な零細農家です。ここ20年にわたり都市化が進む中で、伝統的な知恵や文化遺産の喪失という代償を払ってきました。 これが、終わりのない貧困の連鎖を招いているのです。

20年ぶりにカルジャットに戻った創業者たちは、近代的な農法と森林伐採によって子どもの頃に大好きだった場所の土壌が枯渇し作物が育たなくなっているのを目の当たりにしました。この経験からBeejvanのアイデアが生まれたのです。

ビジョンの中心は、樹木を使った農業、種の保存、複数の生計手段の確立、農民の食料/栄養の確保といった慣行を取り戻すことです。 村を生物多様性ホットスポットに変えて現実的な方法で気候危機に対応するために、現地で拡張性のあるソリューションを生み出したいと考えています。また、地域レベルでは健康や不平等への取り組みも行っています。 2024年までにコミュニティで初となる苗床を作り、2025年までに在来種のシードバンクを構築することを目標としています。

  • 2023
  • Intentional Projects

プロジェクト情報

勝者

Mycorama

このプロジェクトは、ギリシャのSeliánaにあるRe-Green Permaculture Farm and EcoCulture Centreで開催されたコミュニティグループの集会で生まれました。そこではコミュニティのメンバーが集まり、食料主権と収入源の多角化を支援する方法について話し合ったことがはじまりです。

このプロジェクトは「傷ついた地球のシステムを修復し、動物たちの苦しみを軽減し、人間の健康をサポートするための菌類が持つ無限の可能性」をテーマとしています。このプロジェクトにおいて、キノコは地球の栄養再循環に役立つ存在であると考えています。キノコから再生と循環の生き方について多くのことを学べるのです。

まず原木でヒラタケやシイタケを栽培することから始め、その後ヤマブシタケやレイシの栽培へと移行していきました。また、現地で大きな汚染問題となっているプラスチック製のタバコの吸殻を菌糸体で分解する手法を考えています。そして、レイシからリジェネラティブで完全循環型の製品を作る方法も研究しています。 これまでのところ、レイシからランプシェードのプロトタイプを作ることに成功しています。

Mycoramaの今後の計画:

  • 研究の目的に沿っていて、適切な植菌・栽培装置を備えた菌類研究所を1年以内に開設すること。
  • 菌類に関する分野において、トレーニングや他の市民科学者との知識交換の場を生み出すことに投資すること。
    ギリシャで菌類の栽培や産業を促進していくこと。
  • 菌糸体を活用して、完全循環型社会実現の可能性を模索していくこと。
  • ギリシャでは化石燃料を大量に消費するプラスチックの使用が主流だが、その代替となるような菌糸体を活用した家庭用品を開発していくこと。
  • 一人当たりの肉消費量が世界第5位であるギリシャで、キノコの代替肉としての可能性を検討していくこと。
  • 2023
  • Intentional Projects

プロジェクト情報

勝者

Taniala Regenerative Camp

この団体の名前に含まれる”Taniala”は、2つのマダガスカル語に由来しています。”Tany”は「大地」と「土」を意味し、”Ala”は「森」を意味します。

この団体はマダガスカルにおいて適応・利用しやすく、持続可能でリジェネラティブな土地利用の実践を推進しています。持続可能な農業技術によって森の再生をサポートし、マダガスカルの未来の世代に生き生きとした土壌を遺すことを目的としています。

2022年1月、飢饉や干ばつから逃れてきた人々が暮らすLambokelyという村に最初の拠点を設置しました。この村は、トウモロコシ、キャッサバ、落花生の栽培などの農業に依存しています。現在はトウモロコシを3年かけて栽培する「焼畑農業」が主流です。特定の区間における焼畑農業が終わったら、また他の区画に移動して森林の伐採を行っています。こうした非持続的な手法により、今では森林面積のわずか56%しか残っていません。
他の地域でも持続可能な実践を推進していくために、拠点数を増やしていきたいと考えています。

このプロジェクトの今後のステップ:

  • 農林業システムモデルの開発に現地のコミュニティメンバーを巻き込むこと。彼らから土地固有の種に関する知識を収集し、現地のニーズを取り入れていくこと。
  • 現地のコミュニティメンバーを「森林農家」として育成し、コミュニティ内で技術を共有できるようにすること(今後の5年間で50名の農家を育成予定)。
  • 拠点に必要な基礎インフラを構築すること。
  • ベストプラクティスならびに / もしくは技術的な行程をテスト / 改善していくこと。
  • 能力開発を行い、技術を普及していくための戦略を立案すること。
  • 今後の5年間で、Menabe地域にあるいくつかの村に拠点を設置すること。
  • 2023
  • Intentional Projects

プロジェクト情報

勝者

teKio

teKioプロジェクトはメキシコ南部のCuxtitali地区、サン・クリストバル・デ・ラス・カサス、チアパス州全域を対象としています。このプロジェクトは緊急もしくは価値のあるプロジェクトを実現することができずに孤立していたコミュニティの声を受け、2022年に立ち上げられました。

このプロジェクト「生きがいネットワーク」の構築と促進に取り組んでいます。ネットワークには現地の人々や団体が含まれます。彼らは迅速かつ具体的で持続可能な効果を達成するために、集団で活動することを望んでいるのです。現地のコミュニティや労働者階級地域で最も弱い立場にある人々の自主性を育み、生活環境を改善しています。

チアパス州での社会的な問題はCuxtitali地区でも同様に顕在化していますが、これは過去からの負の遺産である様々な不平等さに起因しています。例えば、低賃金、低就学率、治安の悪さ、現地の人々や資源の搾取、体制の崩壊、麻薬組織の存在などです。

The Cuxtitali Ecological Parkは現在管理されていない状態の緑地です。この緑地は薬物やアルコールが蔓延し、街を牛耳る犯罪集団が進出してくる恐れもある地域です。スポーツ、農業生態学、教育、娯楽のための施設の建設や活動を行うことによって、緑地を守り再生させたいと考えています。

今後の5年間で緑地を変貌させるプラン:

  • 集団活動を促進するようなインフラを導入すること。
  • 現地の人々が農業生態学や職人技を駆使した商品を販売できるように小規模な市場を開催することで、地域経済を発展させること。
  • コミュニティによって活動が行われるよう支援すること。活動の例としては、農業生態学に関するワークショップ、スポーツ・演劇・ダンスに関する講座、映画の上映、子ども向けゲームなどを検討しています。
  • 2023
  • Intentional Projects

プロジェクト情報

  • Spanish, English
  • asociaciontekio@gmail.com
  • Callejón del Romerillo Mirasol 2 San Cristóbal de Las Casas Chiapas 29230 Mexico


こちらも候補に挙がっています

AMORA (リオ Almansor レジデンツ アソシエーション)

AMORAの目標は、現地の川を綺麗にして人々が再び泳げるようにすることです。

30年前、人々は川で泳いだり釣りをしたりすることができていました。子どもたちも、水や自然を身近に感じながら遊んでいました。しかし今では川の色は黒く濁り、匂いも臭く、魚がいない川となってしまいました。川の水質も常に「悪い」と評価を下されています。

昨年ポルトガルのモンテモール・オ・ノーヴォという街で、下水道システムが壊れるという事故がありました。またもや川の汚染に直面した現地のコミュニティは川を綺麗にするために組織化し、積極的に動き始めました。そして彼らは、実践的なアプローチと政治的なアプローチの二方向から活動を開始したのです。

川岸に住んでいる人をはじめとして約40人が集まり、新しい形での集団的土地管理の確立に向けて平等な民主主義下での審議を始めました。彼らは社会的かつ生態学的でリジェネラティブな実践を通じてのみ、川とそれが象徴する全てを再生することができると信じています。

この団体が目指すこと:

  • 汚染されている箇所のマッピングを行い、その対応策を練ること。
  • 川を綺麗にし、再生していくこと。
  • 公的な協議会に参加し、市民集会を開催すること。
  • 流域全体の水路を再生するための資金を調達すること。共有設備、木の苗床、テーマ別の蔵書へのアクセスを確保すること。
  • 川の問題を優先してもらうよう、地元の政治家に働きかけること。
  • 世界各地で行われている市民主導の河川保護運動に役立つ実践・戦略・文書を広く共有し、同様の活動を行う他の地域の人々にインスピレーションを与えること。ローカルに行動し、グローバルに闘おう!
  • 町内では初となる成功例も出てきています。地元の住民と政治家の賛同を得て、地方自治体で環境協議会が設立されました。

現地のコミュニティの人々は、5年後また川で泳げるようになりたいと願っています。そして、世界中で活動する同じ境遇の人々にもインスピレーションを与えていきます。

  • 2023
  • Intentional Projects
Photo: AMORA (リオ Almansor レジデンツ アソシエーション)

プロジェクト情報

Fundo Abraço (乾杯 基金)

Fundo Abraçoはブラジルのサンパウロで活動しています。この団体はVila Anglo、Jaraguá、Luzの3地区を対象としています。

サンパウロは世界で最も大きく最も不平等な都市の一つです。 特に低所得者層が抱える社会環境的な問題に悩まされています。Vila Anglo地区は比較的裕福な住宅街の中にある「困窮地域」であり、失業、飢餓、組織犯罪、家族が請求書や家賃を支払えないことによる立ち退きなどの問題が発生しています。Jaraguá地区とLuz地区も同様に、深刻な失業率と低所得者数に悩まされています。

連帯基金と幅広い活動は、低所得世帯の生活費と不平等を減らして食料安全保障を改善していくことを目的としています。保温調理器「Fogão de Caixa」やソーラークッカーなどの家電を配布しています。これらの家電の活用により、調理用ガスの使用量を最大75%削減することができます。つまり、化石燃料の削減とともにお金の節約にもつながるのです。

活動では連帯感を大切にしています。受益者のご家族には、機器によって節約できた金額の何割かを寄付していただくようお願いしています。これにより、さらに多くの機器を無償で配布しそのメリットを皆さんと共有することができるようになるのです。

将来的には、以下のことが可能となる幅広い技術の活用を目指しています。

  • 太陽光で発電をすること。
  • 生活排水や雨水を回収・処理し、再利用すること。
  • 温水を作ること。
  • 食料を育てること。
  • 2023
  • Intentional Projects
Photo: Fundo Abraço (乾杯 基金)

プロジェクト情報

KondhsによるKutumbaのリバイバル

このイニシアチブはDebasmita Ghosh氏とJagannath Majhi氏をファシリテーターとしてお迎えしながら、インドのオディシャ州に住む先住民族Kondhsの人々主導で活動しています。

Kondhsの人々の生活と生業は、土地、森林、食物、薬、社会文化的規範と関連している住居、宗教、精神性と本質的に結びついています。彼らの中にはエコ的な考え方が根付いているため、森林を搾取することは絶対にありません。彼らのKutumb(村落共同体)には人だけでなく、森林、土壌、水、動物も含まれているためです。
収穫の計画、食料、家屋に関して何かを決定する際には、積極的な生態系への配慮がなされているのです。

しかし変化は、Kondhsが故郷と呼ぶ生態系そのものを破壊しかねない形で急速に進行しています。例えば、メインストリーム市場と貨幣経済の到来、森林資源の乱用、農産物消費の変化、世代間ギャップの原因となる職目当ての移住とそれによるメンタルヘルス問題の発生、新たな健康問題の発生、従来の地方自治体の形態が崩壊したことによるコミュニティのレジリエンス(柔軟性と強靭性)低下といったものがあげられるでしょう。

Debasmita氏は、これらの変化に抵抗するためにコミュニティと協働してきました。 抵抗は重要ですが、それだけでは十分ではありません。自立と自己統治の概念を進化させていくことが必要なのです。

  • 2023
  • Intentional Projects
Photo: KondhsによるKutumbaのリバイバル

プロジェクト情報

La Finca: アグロエコロジー ファーム

La Finca Agro-Ecology farmは、2021年にモロッコで設立されました。

コロナウイルスの大流行により、地元での食料生産が急務かつ必須となりました。このような背景により、食料主権を目指すLa Fincaが誕生したのです。この団体は、レジリエント(柔軟で強靭)な農業モデルの紹介を目的に活動しています。環境に優しく経済的に実行可能で、コミュニティにおいて簡単に再現できる農業モデルを目標としています。このモデルは、アフリカの水・土壌・貧困問題を解決する際の一助となりうるのです。

この団体はリジェネラティブ農業のビジョンとして、土壌の回復、水管理、侵食防止、全体のシステム設計、種子主権、パーマカルチャー、トレーニング、能力開発を重視しています。

このビジョンは実現されつつあります:

  • 1,000本以上の樹木と数百種類の多年生植物を植えました。これにより、土壌の保護、日陰の確保、炭素隔離、果物・薬草・野菜・飼料・バイオマスの供給を目指しています。
  • 農場にある建物を改装してより持続可能なものに変えました。生活排水と下水を再利用して廃水処理用の湿地帯に流し込むことで、水処理のクローズドループを作り出したのです。雨水も農場の建物から集められ、灌漑用水として利用されています。
  • 地元の糞尿やバイオマスを利用して40トンのコンポストを作ることで、栄養価の高い野菜や健やかな樹木を育てています。土地固有の植物をマッピングし、その使い道に関する昔ながらの知恵をコミュニティから集める活動も行っています。これにより土地固有の植物を保護し、食生活や医療に取り入れることができるようになるのです。
  • また、種を保存するとともに、モロッコ全土から乾燥に強い遺伝子をもつ種の調達も行っています。
  • 2023
  • Intentional Projects
Photo: La Finca: アグロエコロジー ファーム

プロジェクト情報

  • French, English
  • aida.bennouna89@gmail.com
  • Lieu dit Ain Sfa 4 Cercle Tifelt Ait Ali Ou Lahcen Tlat Dkaik, Commune Ait Malek, Morocco

Nourish All

Nourish Allはハワイを拠点に世界各地で活動していますが、特にウガンダ西部に位置するルワムワンジャ難民キャンプでの活動に重点を置いています。

この団体の活動は、ピープルケア、アースケア、フェアシェアといったパーマカルチャーの基本理念に根ざしています。食の力によって、栄養の採れるレジリエント(柔軟で強靭)でつながりのあるコミュニティを目指すことをビジョンとしています。最新のイニシアチブであるChange the Paradigmでは難民の人々の食料安全保障や生活を担保しながら、知識の共有方法に変革を起こしたいと考えています。

Nourish Allは現地のパーマカルチャーリストや活動家の人々に協力を仰ぎ、プロジェクトを進めています。現地の人々と協働する中でルワムワンジャには乾燥食品に対するニーズと機会、そして知識を広めていく余地があることがわかりました。この団体は、難民のリーダーを育てるためのプロジェクトを発展させていきたいと考えています。また限られた資源で何ができるかを示し、「専門家とはこのような人物である」という固定観念を変えようとしています。

団体の目的:

  • 難民の人々主導で、太陽熱を活用した付加価値の高い乾燥食品を開発すること。
  • オンライン教育プラットフォームを構築すること。

乾燥食品に関しては、まず協同組合を作る予定です。今後協同組合では、キノコやパラミツなどの自然乾燥食品を販売していきたいと考えています。

オンラインプラットフォームに関しては、まず資源が乏しく見過ごされがちな難民キャンプなどに身を置く南半球の教育者や活動家にスポットライトを当てていきます。そして、彼らの知恵を北半球に広めたいと考えています。このプラットフォームはパーマカルチャーと食料の栽培を対象としていますが、特に太陽熱を活用した付加価値の高い乾燥食品の開発に向けて重点的にトレーニングを行います。まずは、Rwamwanja Rural FoundationのBemeriki氏(難民キャンプに住むパーマカルチャーリスト)のトレーニングを共有することから始める予定です。

  • 2023
  • Intentional Projects
Photo: Nourish All

プロジェクト情報

SGGIMA

SGGIMAはシエラレオネに拠点を置く団体です。

この団体は、公正な食品市場を確立することで、シエラレオネにおける飢餓と食糧不足を解決したいと考えています。持続可能な農業、食品加工、農家の人々へのトレーニングに焦点を当て、国内の農業生産を拡大することを目指しています。2027年までに、シエラレオネで消費される食物の50%を農村部の農家で育てることが目標です。

このプロジェクトは2つのパートに分かれています。

まずはじめにSGGIMAが行うこと:

  • 換金作物、被覆作物、樹木など、様々な種類の作物を栽培すること。
  • 腐りやすい農作物を購入すること。農村部の小規模農家は農作物を加工・乾燥・保存して保存性を高めること。
  • これにより輸入品の削減と食料価格の低下を実現すること。多くの人々が、栄養価が高く手頃な価格の国産食品を手に入れることができるようにすること。

次に「ケアとサステナビリティが出会う場所」の信念のもと追求すること:

  • 収益の一部をシエラレオネの教育、水の供給、医療システムなど、様々なコミュニティインフラの整備に再投資すること。
  • この団体のサプライチェーンに参加するための条件として、コミュニティ主導の農業プログラムを実施すること。訓練を受けた農民1人につきさらに4人の農民を訓練することで、収量を向上させる技術を身につけてもらうこと。
  • 今後の5年間でまずは500人の農家にアプローチし、その後シエラレオネとリベリア、ギニア、マリなどの近隣諸国において12万8,000人以上の農家の人々にトレーニングを提供すること。
  • 2023
  • Intentional Projects
Photo: SGGIMA

プロジェクト情報

Tātānaki

Tātānakiはコミュニティ主導の組織兼プロジェクトです。太平洋諸島の人々のために、気候、文化、人間関係のモビリティを追求しています。

2022年1月に発生したフンガ・トンガ=フンガ・ハアパイ火山の噴火は、観測史上最大級のものでした。トンガの人口の80%以上が噴火後の津波と降灰の影響を受け、何百もの家屋が破壊されるなど深刻な被害を受けました。この噴火を受けて、太平洋地域では持続可能で安価かつ気候変動に耐えうる住宅が緊急に必要とされています。

手頃な価格かつ気候変動の影響に耐えうる住宅へのニーズに対して、Tātānakiはそれらの住宅へのアクセスを改善し情報を広めていくことで対応しています。人々が持つ伝統的な知識と循環型でカーボンネガティブな建物を融合し、3戸の住宅を共同設計する予定です。また、オンライン/オフラインでの仲間同士の知識交換、遠隔地におけるリジェネラティブなソリューションの導入に焦点を当てたプラットフォームも検討中です。

トンガ王国において、カーボンネガティブかつ循環型で移動可能な住宅(内陸、島間、海外)の建設を目指しています。すでにオランダ、ウガンダ、モザンビークで成功事例を出している技術パートナーとの共同設計により、計画を実現する予定です。

3戸以上の住宅建設を目指すパイロットプログラムを検討中ですが、このプログラムはトンガと太平洋地域において文化的に適切な住宅へのアクセスを拡大し普及させていくことでしょう。

  • 2023
  • Intentional Projects
Photo: Tātānaki

プロジェクト情報

Vanaspati Bhasha Collaborative

Vanaspati Bhasha collaborativeは、インドのマハーラーシュトラ州に住む部族のコミュニティと協働で活動を行っています。

インドのマハーラーシュトラ州に住む部族のコミュニティと協働するにあたり、彼らが現地の自然保護に関する慣習に対して信頼を失っていることに衝撃を受けました。従来の教育システムでは、現地の生態系や森林保全の方法について教えることはありません。部族の生徒にとっては、学習内容とその文脈の間に断絶があるのです。資源の公平性と保全を担保してきた伝統的なライフスタイルが今、破たんし始めていると言えます。

部族の人々は、知識体系に対する誇りをコミュニティ内で取り戻したいと考えています。コミュニティを中心とした保全活動がインド古来の景観に対する環境的・文化的喪失を軽減する唯一の方法であると確信しています。部族の人々は、コミュニティの結束力を活かした参加型プロセスを活用しています。代々受け継がれていた知識体系を活かし、コミュニティを保全活動の主要なステークホルダーとすることで現地の生態系を保全していくのです。

この団体が目指すこと:

  • 部族のコミュニティと協働していくこと。
    野生の食物、薬用植物、天然資源の持続的な収穫、生態系の保全、森林を活用した実用的な日用品の製作などに関する伝統的で膨大な知識を彼らが記録し、保存できるよう支援していくこと。
  • 上記の知識を部族の言語で記録すること。彼らの言語もまた生態系と同様に、消滅の危機に瀕している。
  • 部族の学校や都市の学校において、子どもたちのための教材を作ること。教材を活用し、その土地に伝わる知識を生き生きとした語り口とイラストで表現していくこと。
  • 2023
  • Intentional Projects
Photo: Vanaspati Bhasha Collaborative

プロジェクト情報

Voedselpark Amsterdam

Stichting Grond van Bestaanは認可されたチャリティ団体および市民主導のイニシアチブで、アムステルダムに拠点を置いています。今残っている唯一の肥沃土を保護し「Voedselpark Amsterdam」(アムステルダム・フードパーク)の設立を目指しています。

Lutkemeer’(「小さな湖」を意味する)はアムステルダムの西端にある43ヘクタールの農地で、そこには都市内で唯一残された肥沃土があります。残念ながら、このユニークで歴史的価値を持つオーガニックの土壌は危機に直面しています。巨大な物流倉庫を作り、あたり一帯をビジネスパークにする計画もあるのです。この団体は化石燃料主体のグローバル化した消費経済に反対し、自然を含む都市を望む人々のための象徴となっています。また、保全した肥沃土をコモンズや環境分野の起業家のための「都市型エコロジカルリビングラボ」に活用したいと考えています。

手ごろな価格のヘルシーな食べ物を提供するだけでなく、都市においてリジェネラティブな食へと移行していくことの重要性を啓蒙し実証するものです。この団体は都市や地方の一部をリジェネラティブな農業が行われる地域の「コモンズ」に変えていくため、市民に活動を促したいと考えています。同時に人々が余暇を楽しみ、農業・持続可能性・生物多様性について学び、環境に優しく包括的でリジェネラティブな経済を目指して活動するための場所を作っていきます。

  • 2023
  • Intentional Projects
Photo: Voedselpark Amsterdam

プロジェクト情報

セサカ先住民バトワ農民グループプロジェクト

Sesaka Indigenous Batwa Farmers Group Projectは先住民族のコミュニティです。このコミュニティには、ブルンジに住みながら壺作りと農業を生業としている120以上の部族が参加しています。

バトワ族はブルンジの人口の1%を占めると言われる少数民族です。彼らはブルンジにおいて最も低い社会的階級に位置すると考えられ、多くの経済的問題に直面しています。

このプロジェクトは、Sesakaの先住民であるバトワ族で農業を営む人々の社会的地位を向上するために始まりました。バトワ族の人々にトレーニングを提供し、保全農業を通じて彼らの農業を変革することを目指しています。 このトレーニングによって先住民族コミュニティの人々がレジリエント(柔軟で強靭)な農業を営み、生計を立てるためのサポートができればと願っています。

“トレーニングでは、以下のようなローインプットテクニックを提供する予定です:

土壌の破壊を最小限に抑え、最高の土壌を作ること。
マルチング(保温や保水の目的で、栽培植物の株元の周囲の地表をビニールシートなどで覆うこと)。
輪作;
オーガニック肥料(鶏の糞を液体化したもの、コンポスト、コンポストティー、ミミズコンポストティー)の作り方と使い方。
害虫・病害対策。

  • 2023
  • Intentional Projects
Photo: セサカ先住民バトワ農民グループプロジェクト

プロジェクト情報

再帰組織 GreenShoots

GreenShootsは、2021年3月に発足したカンボジアを拠点とする団体です。

経済発展と食料・農業を組み合わせた総合的なプログラムを実施することによって、持続可能な開発を促進しようとしています。この団体の目的は以下の通りです。

  • 若者や現地のコミュニティの能力開発を行うこと。
  • レジリエント(柔軟で強靭)な景観を構築すること。
  • 積極的な調査やコミュニティとの協議を通じて、問題の根本にアプローチすること。
  • 現在コミュニティが直面している重要な問題として、生物多様性の喪失があります。

熱帯植物が生い茂るカンボジアは、東南アジアの生物多様性ホットスポットです。カンボジア人の生活において、土地固有の野生植物は多くの役割を担っています。カンボジアで植物は、食べ物、薬、そして時には異なる精霊の住処として捉えられているのです。しかし、クメール・ルージュ政権の影響でこういった植物に関する記録は限られてしまいました。植物学者が殺され、図書館の蔵書が全て燃やされてしまったためです。また気候変動の影響により、今世紀末にはカンボジアの植物種の40%が絶滅すると考えられています。

GreenShootsと共同研究者たちは地元の野生植物や薬用植物のオンラインデータベースを作成することで、この問題に取り組みたいと考えています。この取り組みにより、以下のことが可能となるでしょう。

  • クメール料理や伝統的・民族的な療法において土地固有の植物種がどのように利用されているか、既存の情報を収集・整理すること。
  • そのデータをクメール語、フランス語、英語に翻訳し、インタラクティブなデジタル上の文書として公開すること。
  • GreenShoots AgriTech Centre(カンボジア北西部にある0.5ヘクタールのパーマカルチャー実験場)に、オンライン上のデータベースを補完するためのリビング・ライブラリーを開設すること。

このプロジェクトは、クメールの伝統医学を研究しているAshley Dam博士の協力を得て進めています。今後5年の間に、クメール系のディアスポラ、料理人、植物学者、人類学者の意見を取り入れたデータベースのプロトタイプを作成したいと考えています。

  • 2023
  • Intentional Projects
Photo: 再帰組織 GreenShoots

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