私たちは、さらに多くの人々が再生のムーブメントに関われるように人々をインスパイアし、活動の輪を広げることに賞金が活用されることを期待しています。
本カテゴリーには少なくとも2つプライズがあり、それぞれ最高で2万5千ポンド(約400万円)が授与されます。※ 1ポンド=160円換算
小規模なプロジェクトに対し、少なくとも1団体にアワードを授与することを目指しています。
Buzuruna Juzuruna Associationは2016年に、食料主権に向けた幅広い取り組みの一環として、伝播作物(非ハイブリッド、非遺伝子組み換え)種子を生産してレバノンの現地コミュニティに届けるという、ささやかなアイデアから生まれた団体です。
小麦の80〜90%は輸入され、農家はほとんど輸入ハイブリッド種子に依存しているなど、レバノンは食糧の多くを輸入に頼っています。また、レバノンの農業分野では世代間における大きな溝によって知識の継承がほとんど行われていないため、種子の生産に必要な先祖伝来の知識も失われているのが実情です。
Buzuruna Juzuruna Associationは友人や他の地域のパーマカルチャー活動の協力を得て、アグロエコロジーの実践に焦点を当てたトレーニングカリキュラムを立ち上げました。このトレーニングでは食糧生産を始めるために必要な全て(種子や堆肥、苗、バイオインプット、情報)が提供されます。
前述のトレーニングに加え、次のような活動も行っています:
この実践(アグロエコロジー、循環型経済の構築、平等)は、Buzuruna Juzuruna Associationの再生型アプローチの一環です。
Dalia Associationは2007年に設立されたコミュニティ財団で、パレスチナ人が自分たちの資源を自ら管理し、未来の世代のために末永く続く確かな開発を実現すべきだという信念に基づいて活動しています。
Dalia Associationは草の根レベルでのコミュニティによる管理に基づいた助成金活動を通じて、独立した責任ある活発な市民社会を強化するために必要なリソースを適切に動員、活用します。
Dalia Associationのコミュニティ開発アプローチは、エコロジー、地域経済、社会、そして文化といった包括的なコミュニティ開発を確かなものにする4つの側面に焦点を当てています。
コミュニティ内での問題を特定し、自分たちのニーズや優先順位を明確にして解決策を実行に移すことで、コミュニティは自らの発展をコントロールできるようになります。
Dalia Associationのアプローチは以下の柱に基づいています:
Daliaという言葉はアラビア語で「ぶどうの木/蔓(grapevine)」を意味します。パレスチナの家のほとんどに生えているのがブドウの木であり、適切な手入れをすれば、ブドウの木は世代を超えて食料や身を寄せる場、そして美しさを人々にもたらしてくれる象徴的存在です。これはまさにDalia Associationが行っていることと同じです。パレスチナ人が自分たちのコミュニティにとってのパートナーや意思決定者、支援者になることを可能にしているのがDalia Associationです。
Earth4Everは2019年に設立され、生態学的健康を育むことに加えて、疎外された農家を支援することに焦点を当てています。特に、土壌の健康、水の保全、生物多様性、栄養豊富な生産物を優先する、レジリエンスを備えた農業モデルの創出に注力しています。
インド、マハーラーシュトラ州のPalgharにあるVad Permaculture Demonstration Farmは、アウトリーチ活動およびトレーニングプログラムの中心拠点です。また、農薬などを使用する化学的農業からリジェネラティブで生物多様性に富んだ農業システムへの転換のため、先住民の女性農家や現地のNGOとも連携して活動に取り組んでいます。
過去5年間でEarth4Everは以下のことを成し遂げました:
直近18カ月の間、わずか35,000平方フィートの土地での取り組みによって収穫できた果物やハーブ、野菜は1,650kgに上ります。そこには2,280束もの葉物野菜や101種類の作物も含まれています。
ここから生まれたインパクトはパートナーNGO団体のSukhbhumi India Trustを含むローカルコミュニティのマインドセットに多大なる変化をもたらしました。現在、Earth4Everはそのパーマカルチャー的原則をその他のプロジェクトにも適用しており、インド中心部の女性農家を対象としたトレーニングにも携わるなど、Earth4Everの活動が備える力を体現しています。
Forests Without Frontiers(FWF)は2019年に音楽やアートの力で自然を修復し、祝福するために設立されました。
世界規模の音楽業界出身の創設者は違法伐採によって荒廃した彼女の故郷、ルーマニアの風景に何か恩返しがしたいと考えていました。それを起点に、FWFは成長を続けています。
自然環境が劣化し、脅かされているなかで、FWFは現地の人々やパートナーと協力して植樹や樹木の手入れ、そして視覚的および聴覚的ストーリーテリングを取り入れたコミュニティイベントなどを通じて生態系を修復しています。この団体は木々や森林、野生動物や人々、音楽やアートといった全てを一度に支援する生態系への包括的なアプローチを信じています。また、自然と文化遺産は密に結び付いており、双方共に保全し、修復していくことが重要だと考えています。
FWFの活動は以下の3つの原則に基づいています:
Glasbren(ウェールズ語で「若木」の意)はパーマカルチャーのスキルや栄養価の高い地元食材へのアクセスを提供し、コミュニティ規模の農場が果たす生態学的および社会的、文化的再生における役割について探るべく、設立されました。
設立初期、団体は3エーカーの包括的にデザインされた食にまつわる生きた景観を創出し、そこから最大50世帯に毎週野菜ボックスを提供するコミュニティサポート型べジボックスプログラムを実施しました。
パンデミックや生活費危機のなか、GlasbrenはSocial Farms and GardensやUWE Bristol、地方自治体、フードバンク、慈善団体、ウェルビーイングハブなどの団体と提携し、連帯型野菜ボックスプログラムを試行した上で、不平等や食料貧困、廃棄慣習、食に関する健康問題を解決するにあたって農場がどう貢献できるかについて探りました。Glasbrenは季節に合わせた食事や食物栽培に関する無料のワークショップやビデオ、リソースを提供し、現地の子どもや学校とも連携して活動に取り組みました。結果的に、定例かつオープンなコミュニケーションやボランティアプログラム、コミュニティイベント、祝宴会、オープンデイ、そして地域および全国で戦略的パートナーシップを育む形で、自然発生的パーマカルチャーコミュニティを醸成しました。
2023年、Glasbrenは自然や人間、地球のために活動するという使命を抱く134エーカーのナショナルトラスト農場の長期的管理者に選出されました。新しい農場は元の場所からわずか9マイル離れた場所に位置しており、既存のコミュニティネットワークを活用しながら、Glarbrenはコミュニティハブを構築し、アクセスしやすく安全な地元産食料を供給し、このような農場が再生の手段になり得ると示す道しるべ的な存在になることを目指しています。
Global Ecovillage Network(GEN)は30年にわたって、リジェネラティブな生き方と持続可能な開発の分野において最前線に立ち続けてきた国際的団体であり、活気に満ちた実践コミュニティです。
1995年の設立以降、GENは世界中のエコビレッジやインテンショナルコミュニティ(居住共同体)、草の根活動を結び付け、リジェネレーション(再生)、レジリエンス、自然との調和に根差した世界の創出に向けたツールや枠組み、インスピレーションを提供してきました。
GENのネットワークは全大陸まで広がり、持続可能な生活のための生きたラボとして機能する何千ものエコビレッジで構成されています。これらのコミュニティは気候変動や生物多様性の喪失、社会的不平等などを含む地球規模の課題に対する包括的なソリューションを提供しています。
2025年にGENは創立30周年を迎え、30年にわたって革新や協力、インパクトをもたらしてきたマイルストーンを祝うことになります。この節目はGENのこれまでの成果を振り返り、今日の緊急課題に対処するためのレガシーを土台として、リジェネラティブな未来に向けたビジョンを推進するための大胆な活動を打ち出していく好機となるでしょう。
この変革の時を迎え、GENはサービス向上や世界に向けた知識の共有、そして自然中心な世界への移行を加速させるためのサポートを求めています。2025年に要となる優先事項は以下の通りです:
Grassroots Economics Foundation(GrE)は疎外されたコミュニティを支援することを目的とした非営利団体で、分散型経済システムの開発や社会的公平性の推進、そして生態系の修復を促進しています。
2009年に設立され、Community Inclusion Currencies(CICs)やCommitment Pooling Protocolなどの革新的なファイナンシャルツールを作成し、コミュニティが地域資源管理や相互支援をサポートし、アグロフォレストリーや土壌保全、水管理などの実践を通じて生態系を再生する手助けをしています。伝統的な互助システムとブロックチェーン技術を含む現代的な技術を組み合わせることで、GrEはレジリエンスを備えた包括的な経済モデルを構築しました。
GrEはケニアを筆頭に、(都市や農村部、都市近郊、難民キャンプなどを含む)東アフリカの多様な環境において活動しています。これらの地域は高い失業率や限られた金融サービスに加え、森林伐採や持続不可能な土地利用による環境悪化といった共通の課題に直面しています。そうした課題はあるものの、該当地域のコミュニティは貴重な文化的遺産や伝統的な生態学的知識を備えています。GrEはそういった知識を活用して生態系を修復させ、経済的および社会的構造を再活性化しています。
GrEは設立以来、以下の成果を上げています:
エクストラクティビズム(採掘主義、Extractivism)はペルーのクカマ(Kukama)族の土地を脅かし続けており、クカマ族の文化的アイデンティティの喪失をもたらしています。
クカマ族は自らの土地を一つの大きなまとまりと捉え、特に女性はその土地と本質的に結び付いていると考えます。例えば、”クカマ(Kukama)”という言葉は2つの言葉で構成されています。”ku”は「畑」を意味し、”kama”は「胸、乳房」を意味します。つまり、Kukamaという言葉は「畑の胸、乳房」または「畑から栄養を授かる」といった意味になり、クカマ族の生活がマラニョン川下流域の森林生態系と深く結びついていることをよく表している言葉です。何十年にもわたってクカマ族は現地の生態系に適応し、共生してきました。この土地と川を民族の文化や生活様式から切り離すことはできません。クカマ族は、このマラニョン川が精霊と共にある生きた存在だと考え、神聖視しています。
2001年に設立されたHuaynakana Kamatahuara Kanaは採掘産業の影響で川の健康状態が悪化する中、環境正義を求めて集団行動や抗議活動、動員といった長い旅路へと歩を進めました。
2021年9月、Huaynakanaはペルーに対して、マラニョン川を生きた存在として権利を有するものだと認識するよう求める、憲法訴訟を起こしました。2024年3月、Nauta地方裁判所はマラニョン川に本来備わっている権利を認める判決を下しました。これは、マラニョン川のもつ流れる権利、汚染から解放される権利、そして環境的健康を回復する権利も含むものでした。また、この判決は先住民コミュニティがマラニョン川の法定代理人であり、守護者、そして擁護者であることを認めるものでもありました。この画期的な判決は昨年11月に上級裁判所によって批准されました。
Huaynakanaはマラニョン川の権利を擁護する重要な役割を担っており、森林再生の活動を通じて水路の再生と保全をサポートしています。この川が無ければこれらのユニークな森林は存在し得ないからです。
エクストラクティビズム(採掘主義、Extractivism)はペルーのクカマ(Kukama)族の土地を脅かし続けており、クカマ族の文化的アイデンティティの喪失をもたらしています。
クカマ族は自らの土地を一つの大きなまとまりと捉え、特に女性はその土地と本質的に結び付いていると考えます。例えば、”クカマ(Kukama)”という言葉は2つの言葉で構成されています。”ku”は「畑」を意味し、”kama”は「胸、乳房」を意味します。つまり、Kukamaという言葉は「畑の胸、乳房」または「畑から栄養を授かる」といった意味になり、クカマ族の生活がマラニョン川下流域の森林生態系と深く結びついていることをよく表している言葉です。何十年にもわたってクカマ族は現地の生態系に適応し、共生してきました。この土地と川を民族の文化や生活様式から切り離すことはできません。クカマ族は、このマラニョン川が精霊と共にある生きた存在だと考え、神聖視しています。
2001年に設立されたHuaynakana Kamatahuara Kanaは採掘産業の影響で川の健康状態が悪化する中、環境正義を求めて集団行動や抗議活動、動員といった長い旅路へと歩を進めました。
2021年9月、Huaynakanaはペルーに対して、マラニョン川を生きた存在として権利を有するものだと認識するよう求める、憲法訴訟を起こしました。2024年3月、Nauta地方裁判所はマラニョン川に本来備わっている権利を認める判決を下しました。これは、マラニョン川のもつ流れる権利、汚染から解放される権利、そして環境的健康を回復する権利も含むものでした。また、この判決は先住民コミュニティがマラニョン川の法定代理人であり、守護者、そして擁護者であることを認めるものでもありました。この画期的な判決は昨年11月に上級裁判所によって批准されました。
Huaynakanaはマラニョン川の権利を擁護する重要な役割を担っており、森林再生の活動を通じて水路の再生と保全をサポートしています。この川が無ければこれらのユニークな森林は存在し得ないからです。
NGO Permaculture in Ukraineはウクライナ全土でパーマカルチャーセンターのネットワークを取りまとめ、トレーニングやイベント、教育リソースを提供すると共に、国内避難民(IDP)や退役軍人も利用できるよう、支援しています。
この団体は2011年にウクライナで初めてのパーマカルチャーデザインコース(PDC)が開催された後に設立され、以降、毎年少なくとも1回のPDCを開催し、弱い立場にある集団がトレーニングを受けられるよう、資金調達を積極的に行っています。
2022年の全面的な侵攻後、団体の焦点は以下のように拡大されました:
・避難民の受け入れ
・食料安全保障の向上
・軍事被害を受けた土壌の再生研究
・トラウマのリハビリテーションやコミュニティ再建のツールとしてガーデニングを活用
14のパーマカルチャーセンターはトレーニングに加え、IDPや戦争を理由に放棄された動物のためのシェルターや、子どもや大人を対象にしたリハビリテーションも提供しています。また、団体のデザイナーたちは障害をもつ人々のための学校や住宅を含む、共同社会プロジェクトにも携わっています。空襲や停電が続く状況にも関わらず、NGO Permaculture Ukraineは2024年9月、キエフにある植物園で2日間のパーマカルチャーフェスティバルを成功させ、100名の参加者が再生活動の最前線で活躍する実践家たちと交流することができました。
NGO Permaculture Ukraineはウクライナの持続可能な生活と変革のために、ウクライナの人々へのエンパワメントに取り組んでいます。積極的なソーシャルメディア活用やエコビレッジ、廃棄物ゼロネットワーク、その他のエコロジー運動との協働を通じて、その影響力をさらに拡大し、ウクライナの再生のためにパーマカルチャーの原則を採用するよう、ますます多くの人々に影響を与えています。
Permayouth Women in East Africaは東アフリカ地域で様々なパーマカルチャー教育や食料栽培プログラムをリードしてきた4名の女性によるグループで、コミュニティ内にPermayouthやPermakidsといったグループも立ち上げています。
プログラムの内容には以下の事柄が含まれます:
これらのプログラムは無料で提供されており、人々が求める支援や関心の内容に応じて実施されています。
活動の多くはケニアとウガンダの難民キャンプで行われています。4名の女性全員が難民としての経験を持ち、これらのコミュニティで生活する現実について理解しています。コミュニティのパーマカルチャープロジェクトは異なる国や民族からの難民を含む、様々な背景を持つ人々が共に並んで働くことのできる場と共に、相互理解を深める場を提供しています。
協力活動を通じて、かつて荒廃していた景観が息を吹き返し、緑や鳥の鳴き声も戻ってきました。再森林化の取り組みによって木陰が戻り、炭素隔離も叶えられています。生息地の修復や花粉媒介者への支援、バランスの取れた生態系の維持に加え、化学物質への依存を減らすために多種多様な植物種が栽培されてきました。
Permayouth Women in East AfricaはEthos FoundationとPermaculture Education Instituteから支援を受けています。
Pervolarides Thessalonikisは、ギリシャで社会動員や集団行動を行う自主的な草の根運動として成長を続けており、現地民や難民を団結させ、連帯や社会的行為を通じてコミュニティや社会的弱者のレジリエンスを醸成させています。
活動例は以下の通りです:
関係性やネットワークの発展を通じて、Pervolarides Thessalonikis は食サイクル全体を通じて形成される関係性に基づく包括的な再生型アプローチを徐々に確立させていきました。その活動は播種や栽培、収穫、加工、調理から、廃棄される食品の再利用や再加工、再配布までを網羅しています。
Pervolarides Thessalonikisはあらゆる年齢、民族、社会的地位の人々が集い、自由かつ平等に表現し、隣り合わせる人々と共創し、必要としている人々に支援や資源を提供する民主的な中心拠点を創出しています。そこでは能力やアイデア、資源が一体となり、ダイナミックな社会的行動と強力な支援ネットワークを形成しながらも、排除や差別に打ち勝ち、分断や不平等の経験から回復するための力を人々にもたらしています。
オーストラリアの先住民たちのレンジャー(土地の守護者)は非常に重要な役割を果たしており、世代から世代へと受け継がれてきた古代の知識に、産後の変化や森林火災、土地の劣化をモニタリングするドローンといった現代的ツールを組み合わせて活動しています。レンジャーの仕事は環境と雇用の両方で成果を上げるのみならず、より広範な社会的、文化的、経済的利益をももたらしています。
先住民レンジャープログラムは2007年からオーストラリア全土において、土地や海に関する2,100以上の仕事を創出してきましたが、クイーンズランド州の先住民レンジャーのうち、女性は20%しかいません。そこで登場するのがQueensland Indigenous Women Ranger Network(QIWRN)です。
2018年に設立されたQIWRNは先住民女性レンジャーが以下の事柄に取り組むためのフォーラムを提供しています:
このネットワークは次世代の女性レンジャーを育成し、資源が非常に限られた状況のなかでも海や沿岸環境(Sea Country)を守り、再生させる先住民女性の数を増やすサポートに取り組んでいます。資金が不足しているにも関わらず、プログラムは240名以上の女性にトレーニングを実施し、知識の共有やストーリーテリングを通じて新たな保全アプローチを奨励しています。ネットワークのメンバーはクイーンズランド州でレンジャーとして、あるいはその他の場所で保全の仕事に就いています。
先住民の人々の割合は世界人口の5%にも満たないものですが、世界の土地の25%を管理または所有し、地球上の生物多様性の80%を支えているのは他ならぬ先住民の人々です。世界の野生生物レンジャーのうち女性は11%未満で、このプロジェクトではより多くの先住民女性レンジャーを迎えるためのアプローチの拡大が、これまで以上に肝要であると考えています。
オーストラリアの先住民たちのレンジャー(土地の守護者)は非常に重要な役割を果たしており、世代から世代へと受け継がれてきた古代の知識に、産後の変化や森林火災、土地の劣化をモニタリングするドローンといった現代的ツールを組み合わせて活動しています。レンジャーの仕事は環境と雇用の両方で成果を上げるのみならず、より広範な社会的、文化的、経済的利益をももたらしています。
先住民レンジャープログラムは2007年からオーストラリア全土において、土地や海に関する2,100以上の仕事を創出してきましたが、クイーンズランド州の先住民レンジャーのうち、女性は20%しかいません。そこで登場するのがQueensland Indigenous Women Ranger Network(QIWRN)です。
2018年に設立されたQIWRNは先住民女性レンジャーが以下の事柄に取り組むためのフォーラムを提供しています:
このネットワークは次世代の女性レンジャーを育成し、資源が非常に限られた状況のなかでも海や沿岸環境(Sea Country)を守り、再生させる先住民女性の数を増やすサポートに取り組んでいます。資金が不足しているにも関わらず、プログラムは240名以上の女性にトレーニングを実施し、知識の共有やストーリーテリングを通じて新たな保全アプローチを奨励しています。ネットワークのメンバーはクイーンズランド州でレンジャーとして、あるいはその他の場所で保全の仕事に就いています。
先住民の人々の割合は世界人口の5%にも満たないものですが、世界の土地の25%を管理または所有し、地球上の生物多様性の80%を支えているのは他ならぬ先住民の人々です。世界の野生生物レンジャーのうち女性は11%未満で、このプロジェクトではより多くの先住民女性レンジャーを迎えるためのアプローチの拡大が、これまで以上に肝要であると考えています。
Sítio Sementeはシントロピック農法や薬用植物を取り入れたアグロフォレストリーシステムを活用して、劣化した地域を再生させ、生態系とコミュニティの健康とレジリエンスを促進する活動を行っています。
団体はブラジリアに位置しており、ブラジルで二番目に大きな生物群系であり、世界で最も脅威にさらされている生物群系のひとつである「セラード(Cerrado)」の中にあります。セラードの植生の約50%は既に伐採されており、その主な理由は農業の拡張です。この地域は南米の主要な河川流域の源流域であるため、セラードはその固有の生物多様性や水資源を失う深刻なリスクに直面しています。
Sítio Sementeの主な目的はアグロフォレストリー実践を通じて、人間の地球に対する影響に変革をもたらし、調和のとれた人々と自然の共存を促進することです。コースや訪問、実践体験、コンサルティングサービスを通じて知識を共有しています。
シントロピック農法を取り入れたアグロフォレストリーシステムや食料生産、経済的自立の達成を通じて劣化した土地の再生(リジェネレーション)を目指して、2006年に始動したSítio Semente。19年間で、以下の成果を上げました:
Spirit of the Sun(SOTS)は2002年に設立された先住民の女性主導の団体で、文化やコミュニティ、経済、健康の領域が交差する点を認識することが、効果的で持続可能なコミュニティ開発に不可欠だという信念に基づいて活動しています。
設立当初、SOTSは主に先住民居住地で様々なコミュニティの経済開発を支援していました。2010年、その戦略的焦点は都市部に移住する先住民の若者や若年成人の増加に対するエンパワメントの必要性に応じて、アメリカ、コロラド州デンバー地域でのプログラム展開へとシフトしていきました。
2019年、SOTSは先住民の再生型農業に焦点を当てた活動を始動させ、それ以降土地の手入れを続けています。SOTSはデンバー全土の庭園や農場スペースで伝統的なバイオリージョン的食料や薬用作物を栽培することによって、先住民の食文化における文化的慣習を保存することを目指しています。また、生態系を修復し、地域社会に食料を供給しながら、先住民の文化的知識を後世に残すべく、先住民の食文化を取り入れて土地の手入れにもあたっています。さらに、SOTSは伝播作物や在来種の種子を保存する”シードライブラリー”も管理しており、過去と未来の世代をつなげる重要な役割を果たしています。
この活動は先住民の食料システム主権や伝統的な食文化、先住民の気候正義を通じて、構造的な環境正義に反する問題やフードアパルトヘイトに対処することで、先住民の自己決定権やレジリエンスを促進します。現地の先住民およびBIPOCコミュニティとの協力を通じて、SOTSは”リマトリエーション(Rematriation)”や先祖伝来のエコロジー的実践、土壌改良や知識の共有を通じて、経済的および文化的レジリエンスを強化することを目指しています。
Support Humanity Cameroon(SUHUCAM)はインクルーシブで自立した持続可能なコミュニティを開発し、人々が互いに、そして自然と調和して幸せに暮らせる世界を築くことを目的とした草の根的開発および環境団体です。
SUHUCAMは気候変動の最前線に立つコミュニティの声を代表する団体であり、国連環境計画(UNEP)やリオ3条約の認定を受けています。主な活動分野には生態系の修復や再生型農業、気候変動適応、生活支援、水、衛生などがあります。特に、カメルーンの支援が届きにくい地域に住む女性や若者に焦点を当てています。
2019年、SUHUCAMはBamunkumbit Integrated Community Forest(BICFOR)を立ち上げ、151ヘクタールの劣化した土地を修復し、現地で暮らすローカルおよび先住民コミュニティの生活を向上させるための革新的な取り組みを始動させました。
プロジェクトの開始以降、現地のコミュニティのレジリエンスや適応能力を強化するべく、以下に代表される取り組みがこれまでに実施されています: