パーマ・クィアは、オーストラリアのナーム地域を新型コロナウイルスが直撃した2020年の3月に設立され、主に環境面でのレジリエンスと調和した、コミュニティのレジリエンスの構築に取り組んでいます。創立者のトードとガイは、自分たちが住むトランジションホーム(移行住宅)で行われているパーマカルチャーのレジリエンスに気づいた一方で、性的マイノリティ(LGBTQIA)や黒人・先住民・有色人種(BIPOC)の仲間たちが、現代的な生活環境の中で苦しんでいる現実に注目したのでした。フードネットワークに根差した生活のパワーや、地域の物々交換・経済・社会福祉に基づいたシステムのパワーに、彼らは気づいたのです。
パーマ・クィアでは、オンラインで友人たちにパーマカルチャーを紹介し始め、これがクィア・コミュニティ(LGBTQIAコミュニティ)で急速に拡散されました。彼らは、世界的な地域のレジリエンス構築に基づいた学習コースを提供しており、その内容は、環境保護の基礎やパーマカルチャー、社会正義、脱植民地化、トラウマや神経多様性に配慮したシステムなど多岐にわたります。料金は無料のものもあれば、受講者が希望額を支払うこともあります。さらに、3日間にわたるTEDxシンポジウムも開催しました。
彼らが行う地域教育では、消費主義や白人至上主義、植民地の二分化に関するシステムを解き明かし、これによって、レジリエントな地域社会システムの再建を目指しています。「リベレーション・パーマカルチャー」とも連携し、世界的なパーマカルチャーの運動に向けて、脱植民地化や土着化の復活に取り組んでいます。パーマ・クィアは現在、国外のパートナーと協力して、公平でレジリエント、そして生態系に配慮した形での関係性の発展に努めています。そしてこれらのシステムを、コハウジング・ビレッジ(共同の住宅コミュニティ)やフードシステム、文化的能力の養成、再生型の復旧プログラムに採り入れていきたいと考えています。