再帰組織 GreenShoots

GreenShootsは、2021年3月に発足したカンボジアを拠点とする団体です。

経済発展と食料・農業を組み合わせた総合的なプログラムを実施することによって、持続可能な開発を促進しようとしています。この団体の目的は以下の通りです。

  • 若者や現地のコミュニティの能力開発を行うこと。
  • レジリエント(柔軟で強靭)な景観を構築すること。
  • 積極的な調査やコミュニティとの協議を通じて、問題の根本にアプローチすること。
  • 現在コミュニティが直面している重要な問題として、生物多様性の喪失があります。

熱帯植物が生い茂るカンボジアは、東南アジアの生物多様性ホットスポットです。カンボジア人の生活において、土地固有の野生植物は多くの役割を担っています。カンボジアで植物は、食べ物、薬、そして時には異なる精霊の住処として捉えられているのです。しかし、クメール・ルージュ政権の影響でこういった植物に関する記録は限られてしまいました。植物学者が殺され、図書館の蔵書が全て燃やされてしまったためです。また気候変動の影響により、今世紀末にはカンボジアの植物種の40%が絶滅すると考えられています。

GreenShootsと共同研究者たちは地元の野生植物や薬用植物のオンラインデータベースを作成することで、この問題に取り組みたいと考えています。この取り組みにより、以下のことが可能となるでしょう。

  • クメール料理や伝統的・民族的な療法において土地固有の植物種がどのように利用されているか、既存の情報を収集・整理すること。
  • そのデータをクメール語、フランス語、英語に翻訳し、インタラクティブなデジタル上の文書として公開すること。
  • GreenShoots AgriTech Centre(カンボジア北西部にある0.5ヘクタールのパーマカルチャー実験場)に、オンライン上のデータベースを補完するためのリビング・ライブラリーを開設すること。

このプロジェクトは、クメールの伝統医学を研究しているAshley Dam博士の協力を得て進めています。今後5年の間に、クメール系のディアスポラ、料理人、植物学者、人類学者の意見を取り入れたデータベースのプロトタイプを作成したいと考えています。

  • 2023
  • Intentional Projects
Photo: 再帰組織 GreenShoots

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